吾妻の白猿!

業務日記

12月、米沢にも厳しい寒さと共に雪がしんしんと降り積もり、一晩で膝下まで積もる事もあります。地域差もありますが、米沢の南部地区は特に積雪量が多い所です。福島県との県境には吾妻連峰がそびえ立ち、中でも米沢市と隣接する西吾妻山は標高2035mと非常に高く、高山が近い為、大雪が降り易い地域になります。雪を降らせる現象として、大陸から吹き出す冷たく乾燥した季節風が暖かい日本海を渡る際、海面から熱と水蒸気を受けて雪雲になり、山地にぶつかって上昇し、山沿いに大量の雪を降らせます。

そんな厳しい環境の真っ白な風景の中、時折餌を探してお猿さんの群れが樹の実を探しに数十匹で山から住宅付近までやって来ます。私の家の裏にはご近所の柿の木があり、毎年柿の木を食べに群れをなしてやって来ますが、その様子をじーっと見ていると、白い子猿が一匹混じっているのを見つけました。思えば3年程前に白猿の赤ちゃんを見つけ、その時は群れが帰った後も木の枝にずっと座り込んでいたのが、心配と可愛らしさが混じり、捕獲さえ考えてしまいましたが、もしかしたらあの時の白猿かと思うと、その場から離れる事が出来ず、ずっと立ち去るまで見届けていました。夏場のお猿さんは田畑を荒らす非常に厄介者として扱われますが、冬場のお猿さんは見ていてなんだか癒やされる様な感覚にもなります。

白猿は昭和58年に米沢市の天然記念物に指定され、写真や動画に記録されています。また名前も付けられる様になり、貴重な存在として観察されています。西吾妻側には白布(しらぶ)温泉があり、白猿が入浴している姿をニュースで取り上げられるなど吾妻の白猿として知名度が少しずつ上がっています。

米沢市の猿軍団は9群れ確認されており、群れ1つに対し1~2頭しか存在していないようです。そんな貴重な白猿を自宅で見ることが出来るのは本当に幸運なのかなと思っています。

米沢にお越し頂いた際は、白猿に出会うチャンスでもありますので、ゆっくり温泉に浸かりながら貴重な体験をされてみては如何でしょうか。

白猿の後ろ姿

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